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飲食店に適した内装の色の選び方と配色の際の注意点
- date:2021年11月2日
- category:COLUMN
お店の内装は、ブランドのイメージを作るだけでなく、売上や人気にも関わる重要な要素です。
最近ではSNSが普及し、写真映えするような内装やインテリアにこだわるお店が増えてきました。
特に飲食店は、大切な人と食卓を囲む大事な空間であり、居心地の良い環境づくりが欠かせません。飲食店の内装を考える上で肝心なのが、配色です。
そこで本記事では、色と食欲の関係性や色の与える効果を解説し、配色のポイントを見ていきます。
飲食店の内装コンセプトを考えている方や、将来飲食店をオープンさせたい方は、ぜひ参考にしてください。
色と食欲の関係性
普段何気なく目にしている色は、気付かないうちに心理的な効果を発揮しています。
特に飲食店において、色がお客様の食欲や料理の見た目に及ぼす影響は大きいです。
お店の売上や人気にも関わるため、内装やインテリア・看板・メニューなどに使う色は、慎重に選ばなくてはなりません。
ここでは、色にまつわる基礎的な知識や、食欲を増進または減退させる色について見ていきましょう。
1.色の基礎知識
色の見え方によって、暖かさや冷たさを感じさせる場合があります。
暖かいイメージを与える色が「暖色」、冷たいイメージを与える色が「寒色」です。
赤やオレンジ・黄色などの暖色は交感神経を刺激し、元気で活発な印象を持たせます。
青や紫などの寒色は副交感神経に働きかけ、静的で落ち着いた印象を持たせます。
緑や無彩色などは、暖色・寒色どちらにも属さない中性色です。
また、面積の見え方にも影響を及ぼします。
明るい色や淡い色・暖色系は、実際の面積よりも大きく見せ、「膨張色」と呼ばれます。
反対に、暗い色やはっきりとした色・寒色系は、実際の面積よりも小さく見せ、「収縮色」と呼ばれます。
面積やレイアウトに合わせて用いると効果的です。
さらに、暖色系は進出色とも言われ、前に出ているような存在感を際立たせます。
一方で寒色系は後退色と言われ、後ろに下がっているような奥行きをもたせます。
2.食欲を抑える色
青は食欲を減退させると言われる代表的な色です。
自然界には青色の食材があまり存在しません。
外見は青色の魚も身は白や赤・うすピンクであり、茄子やさつまいもなども黄色が入っています。
人間は青色のものに対し、「美味しそう」という感情が湧かず、「食べられるもの」として認知しないのです。
食欲を減退させる青色を用いたダイエット方法も開発されています。
例えば、青みがかったレンズのメガネをかけたり、青い食器に料理を盛りつけたりすることで、食欲を抑えるという方法です。
3.食欲を促す色
赤やオレンジ・黄色などの暖色系は食欲を促進します。
また、中性色である緑も野菜を中心に料理で見かける食欲増進色です。
一般的に、色が濃いほど食欲が促されます。
さらに、赤と緑のような補色の関係性を利用すると、一層効果が増します。
トマトとレタス・魚の赤身としその葉の組み合わせが美味しそうに見えるのは、このためです。
飲食店には「暖色系」
以上の効果より、飲食店の内装や看板・食器などを選ぶ際は、暖色系がおすすめです。
ここでは、それぞれの暖色系が与えるイメージを見ていきましょう。
1.赤の与えるイメージ
赤は肉や刺身・野菜・果物など、食材を代表する色です。
そのため、赤を目にすると自然に「美味しい」というイメージが湧き、食欲が増します。
また、料理や店内を明るく見せ、賑やかでアクティブな印象になります。
赤には時間の経過を早く感じさせる効果もあるため、お店の回転率アップも期待できるでしょう。
大手ハンバーガーチェーンは赤がメインで用いられている場合が多く、ファストフード店や海外スタイルのお店に向いています。
2.オレンジの与えるイメージ
オレンジも赤と同様、食欲を促す効果があります。
緊張を和らげ、くつろげる空間を演出します。
暖かく活気に溢れたイメージのため、ファミリーレストランなどで主に使われるケースが多いです。
3.黄色の与えるイメージ
黄色は消化器系を刺激し、食欲を増進させます。
注意を喚起するやや奇抜な色のため、元気で生き生きとした印象です。
子供向けのお店やキャラクターカフェなどに向いているでしょう。
店舗照明を選ぶ際のポイント
店内の内装を暖色系にまとめることで、温かみが増し、食欲を引き立たせる効果があるとご紹介致しました。
照明選びにあたっても、色味を考えることはとても重要なポイントとなります。照明で食事を美味しそうに見せたり、お店の雰囲気を柔らかくできたりと、多くの効果を持っています。
こちらの記事では、店舗照明を選ぶ際に抑えておくべきポイントを詳しくご紹介しておりますので、是非併せてチェックしてみてください。
配色のポイント
では、それぞれの色の特徴を踏まえた上で、飲食店における配色のポイントを見ていきましょう。
1.食欲に気を遣った色使い
飲食店では、食欲への配慮が欠かせません。
メニューや料理の種類に合わせて、お客様の立場になった時に「食べたい」「美味しそう」と思えるような空間を作りましょう。
青をはじめとする寒色系は、食欲を減退させるだけでなく、冷たく寒い印象を与えます。
心地よく長時間過ごしたいと思えるようなお店にするためには、気分をほっこりと和ませる暖色系をメインに用いるのがおすすめです。
2.上半分を明るく、下半分を落ち着いた色にする
店内を暖色系だけでまとめてしまうと、騒がしく落ち着かない印象になる可能性があります。
お店の内装には、メリハリも必要です。
明るい色だけでなく適度に暗い色を取り入れると、長時間いても疲れないリラックス空間が生まれます。
ただし、建物上部が暗い色で覆われると、狭く圧迫感があります。
建物上部には明るい色を、テーブルより下の低い部分には暗い色を用いることで、自然な内装になるでしょう。
3.使う色は三色以内にする
内装に使う色が多すぎると、派手でごちゃごちゃとした印象になります。
単調になりすぎず統一された空間を作るためには、使う色を3色以内に収めるのがポイントです。
配色はメインカラー75%、サブカラー20%、アクセントカラー5%の割合がバランス良いでしょう。
4.開放感を演出する
ゆとりのある飲食店は心地が良く、お客様に癒しの時間を提供します。
限られたスペースの中で開放感を演出するためには、色を効果的に使いましょう。
面積を大きく見せるためには、白などの明るい膨張色がおすすめです。
また、床・壁・天井へと上部に行くにつれて明るい色を用いることで、縦長効果があり、天井を高く見せられます。
5.周辺のアイテムの色にも気を使う
お店の内装では、いかに統一感があり、コンセプトがまとまっているかが大事です。
塗装や家具・インテリアなどの大きなアイテムだけでなく、照明や観葉植物・食器・メニューなどの小物にも気を配りましょう。
特に、照明は料理や顔の見え方を左右するため、慎重な判断が必要です。
内装や提供メニューに合った照明タイプを選びましょう。
店舗デザインならインターステラー
当社では空間リノベーションの一環として、店舗リノベーションを手掛けております。
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飲食店が成功するためには内装の配色が肝心!
いかがでしたでしょうか。
今回は、色が持つ効果や食欲との関係性を解説し、飲食店における内装の配色ポイントを紹介しました。
飲食店では暖色をメインに用いて、食欲を刺激し、料理を美味しく見せる内装が重要です。
お店のコンセプトに合ったカラー選びに加え、お客様の目線に立った配色が欠かせません。
内装コンセプトのデザインにお困りの方は、一度デザイン制作会社に相談するのがおすすめです。
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